ワンセグとは…。

ワンセグは地上デジタルテレビ放送(地デジ)のサービスのひとつで、正式名称を「携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス」と言います。
…これじゃ何のことだかサッパリわかりませんねw
簡単に言えば、携帯電話などのモバイル機器で地デジを受信するためのサービスです。
このカテゴリでは、なるべくわかりやすく、噛みくだいて説明していきます。

「セグメント」って?

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セグメント(segment)を辞書で引くと、「分節, 切片, 部分」(goo辞書・三省堂EXCEED英和辞典)とあります。
日本の方式(ISDB-Tといいます)の地デジの電波は、各チャンネル14個の部分に分けられるようになっていて、この「部分」のことを「セグメント」と呼びます。
このうち1つは隣のチャンネルとの混信を避けるために、使用しません。
1つのセグメントでどれだけの量の情報が一度に送れるかは決まっていますので、高画質・高音質な放送をする場合はより多くのセグメントを組み合わせて放送することになります。
普通のデジタルテレビで受信するハイビジョン放送は12個のセグメントを使用します。また、4個だけ使用すると、標準画質(アナログ放送相当)になるかわりに同時に3番組まで放送することもできます。
そして、残った1つのセグメントを使用して放送されるのが、このワンセグなのです。

アナログ放送とワンセグ ここが違う

現在販売されている携帯電話には、アナログ放送とワンセグの両方が受信できるものもあります。
また、地デジが受信できるカーナビには、通常の地デジとワンセグの両方が受信できるものもあります。
アナログ放送と通常の地デジ、そしてワンセグは何が違い、何が同じで、またどのようにこれらを使い分けたらいいのでしょうか。

まずはアナログ放送と比べてみましょう。

ワンセグはアナログ放送に比べて、映像や音声が乱れないという利点があります。
一度ワンセグを使ってしまうと、すぐ画面がぐにょぐにょになるアナログ放送が今まで以上に汚く見えてくると思います。

しかし、受信できるエリアについてはアナログのほうが圧倒的に広いです。
アナログ放送は始まって50年以上経っていて送信所もそこらへんにたくさんあるので、人が住んでいる地域でアナログ地上波が受信できないなんてことはほとんど無いでしょう。しかし、ワンセグ含め地デジはまだまだ始まって間もないですし、デジタルの送信所が無い地域もまだ多いです。
でもそれも、今後中継局ができればその差は縮まっていくでしょうが…。

また、実はワンセグを含めたデジタル放送は、アナログ放送より数秒遅い映像を見ることになります。
「なんで遅くなるの?何か損した気分…。」
デジタル放送では、番組を電波に乗せるとき、より少ない情報量で送信するためにエンコードという作業が必要となります。これは放送局にある機械でリアルタイムで行われるのですが、このエンコードをするのに1、2秒かかるのです。
さらに、そのエンコードされたデータをテレビで受信したあと、今度はそれをテレビで見られる映像に戻してやるデコードという作業をすることになります。これにもさらに1、2秒かかります。
アナログ放送ではこんなことをする必要がありませんから、エンコードとデコードに時間がかかるぶん、デジタル放送のほうが数秒遅くなるのです。

それから、一応「アナログ放送は2011年7月24日までに終了します」………ってことに(表向きは)なってますが、たぶん終わらないと思います。某辛坊さんも言ってましたw 日本中誰もが地デジが見られるようにならない限りはアナログ放送は続けられるでしょう。

通常の地デジとワンセグ ここが違う

次は、通常の地デジと比べてみます。

通常の地デジは、UHFアンテナをどこか(屋上・ベランダなど、CATVに加入しているならCATV局の受信基地がそれです)に固定して、普通のテレビで観ることを前提にしています。アンテナが固定されていますので、いったんきちんと受信できるようになれば、(建築物の増加や気象条件等により多少変化しますが)あとは安定して受信し続けられます。
それに対してワンセグは、動く電車に乗りながら、公園のベンチに座りながら、家で寝転がりながらなど、あらゆる場所で受信することを前提にしています。モバイル機器ですので、アンテナも小さいものでないといけません。さらに、動きながらだと電波強度が大きく変化します。このようなことから、ワンセグは通常の地デジより電波が弱くても受信できるようになっています。これは、通常の地デジよりも受信できる範囲が広いと考えることもできます。

また、使用できる情報量も少ないので、通常の地デジと同じ画質では放送できません。そこで、少ない情報量でもよりきれいな映像が得られるように画面サイズを小さくし、映像の圧縮方式も変え、さらにフレームレートを半分にしています。
通常の地デジでは最大3番組までのマルチ編成も行えますが、この機能もワンセグにはありません。
音声モードも、通常の地デジではデュアルステレオ(ステレオでの副音声)や5.1chサラウンドをサポートしていますが、ワンセグではこれは省かれ、ステレオ・モノラル・デュアルモノラル(モノラルでの副音声)だけになっています。
EPGデータ放送もありますが、内容は同じではなく、携帯端末向け独自のものです。

アナログ・地デジとワンセグ ここは同じ

このようにいろいろと違いのある3つの放送ですが、同じ部分もあります。

今現在、ワンセグで放送されている番組はアナログ放送や通常の地デジのものと同じ(サイマル放送)です。
ただし、一部放送局ではアナログとデジタル(ワンセグ含む)で一部の時間帯で別番組を放送していることもあります。
また、デジタル放送でマルチ編成をしているときは、普通は第1チャンネルの番組(=アナログと同じ番組の場合が多い)をワンセグでも流すことが多いのですが、一部放送局では第2チャンネルの番組(=デジタルでしか放送していない番組)を流すこともあります。
現在はいろいろな関係上、ワンセグ専用番組というのはありませんが、2008年に各局の放送免許が更新されて以降は登場するかもしれません。

映像や音声が乱れない

簡単に言えば、アナログ放送は映像の明るさや色味なんかを電波信号の波の大きさに変換して伝えています。白い映像は大きい波、黒い映像は小さい波って感じで。音声はFMラジオと似た感じで、周波数の高い低いで音の波を伝えています。
受信状態が悪くなって信号が弱くなったり混信したりノイズが乗ったりすれば、波の形なんて簡単に変わってしまいます。なので、映像や音が乱れやすいのです。
それに対してデジタル放送は、映像をDVDのようなデジタルデータに変換した上でそのデータを電波に乗せているのですが、多少受信状態が悪くなっても上手いこと元のデータが取り出せるようにしています。
例えて言えば、文章を紙に書くときに何文字か誤字や欠落があっても、あとで推敲すればちゃんと訂正できるのと似たような感じですかね。
なので、受信状態が変化しやすいモバイル受信では、アナログ放送はすぐに色がおかしくなったり画面がザラザラになったりしますが、デジタル放送はそれが起こりません。
逆に、デジタル放送は信号の強さがある一定の水準以下になると映像も音声もプッツリ途切れてしまいますが、アナログ放送はノイズまみれで見辛いながらもなんとか見続けることができます。

画面サイズ

通常の地デジの映像は高精細なハイビジョン映像ですが、ワンセグの映像はハイビジョンではありません。ワンセグの一般的な画面サイズは横320、縦180(以下、「横x縦」と表記)なので、一応ワイド映像ではありますが。地デジの標準画質(アナログ放送相当)は720x480(を引き伸ばして4:3もしくは16:9にする)ですから、アナログ放送よりも画像が粗いということになります。
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しかし、携帯電話に搭載されている液晶画面はたいてい320x240の大きさで、アナログ放送もその大きさに縮小されて表示されていますので、携帯電話などの小さい画面で見る分にはほとんど気にならないと思います。
PCのチューナで見る場合、全画面表示にするとかなりドットが目立ちます。元の画面が小さいので、どのチューナを使ってもほとんど画質に差はないでしょう。

映像圧縮方式

映像をデジタルで表現するにはとても多くの情報量が必要になります。無圧縮の状態だととんでもない大容量になってしまうので、圧縮して情報量を減らす作業が必要になります。
有名な映像圧縮方式(厳密に言うと違いますが)として、MPEGシリーズがあります。MPEGシリーズは圧縮率が高い、つまり高画質のまま少ない情報量に圧縮できるため、さまざまな場面でよく用いられています。DVDや、BSデジタル放送、CSデジタル放送(スカパー!)、それに通常の地デジではMPEG-2が使われています。
しかし、MPEG-2がいくら高画質で圧縮できるとはいえ、ワンセグが使用できる情報量はあまりにも少ないのです。
そこで、同じ情報量でもMPEG-2の倍以上の画質が保てるという新しい映像圧縮方式、H.264がワンセグの動画圧縮方式として採用されました。
これは別名MPEG-4 AVCとも呼ばれる、MPEGシリーズのひとつです。

フレームレート

アナログ放送や通常の地デジは1秒間に約30コマ、厳密には29.97コマの連続した静止画をすばやく切り替えて動画を表しています。
それに対してワンセグは約半分、1秒間に15コマで動画を表します。なぜ半分に減らされているかというと…。

ワンセグの映像の情報量は128kbpsです。この場合、「1秒間の映像を128,000ビットに圧縮する」ということになります。
このとき、30fps(フレーム毎秒、1秒間に何コマという意味)の映像だと、30コマの静止画を128,000ビットに圧縮しなければなりません。これは動画圧縮の仕組みからいえば正しくない表現かもしれませんが、単純計算すると、1コマあたりに使える情報量は約4270ビットになります。
フレームレートを半分の15fpsにすると、圧縮する静止画のコマ数が半分になるのですから、当然1コマあたりに使える情報量は倍になり、そのぶん画質は良くなります。
もちろん、連続して動いているものを間引いているのですから、動きは少しガタガタになります。

映像の画質と動きの滑らかさの両方、それから非力な機器(現在の携帯電話の処理能力は10年以上前のパソコン程度です)でもコマ落ちせずにちゃんと表示できるように、という理由を考慮した結果、15fpsになったのでしょう。

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※画像はイメージです

データ放送

デジタル放送の特徴のひとつにデータ放送があります。これは地デジだけでなく、BSデジタルにもありますし、あまり活用されていませんがCSデジタルのスカパー!にも実はあります。スカパー!に吸収されて無くなったディレクTVにもありました。
ワンセグにもデータ放送はもちろんありますが、先ほども少し触れたように、通常の地デジのものと同じではなく、ワンセグ独自の内容になっています。

データ放送には大きく分けて連動データ放送非連動データ放送があります。
連動データ放送は、まさに今放送されている番組と連動したデータ放送で、原則としてその番組の放送中だけ受信できます。内容は、例えばドラマなら人物関係やこれまでのあらすじ、料理番組なら今回のレシピ、クイズ番組なら問題への回答や自動採点、音楽番組なら未公開インタビューの内容などといったものが考えられます。
非連動データ放送は、放送している番組とは関係なく、電波が出ていれば常に受信できます。内容はニュース・天気予報や番組情報が主です。

また、別の分け方として放送コンテンツ通信コンテンツがあります。
放送コンテンツは放送波からデータを拾います。通信料はかかりませんが、多くの情報を送ることはできません。ニュースのヘッドラインを読む程度ならだいたいこっちです。
通信コンテンツはサーバからデータを拾います。多くの情報を送ることができますが、通信料がかかります。ニュースの詳細を読もうとするとこっちになることが多いです。サービス内容によっては、使用できる端末が制限されることもあります。

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